特殊用途における光沢測定(測定機器コラム)

5.1 透明フィルムやシートの光沢測定

光沢のあるパッケージ用フィルムや液晶ディスプレイ(LCD)用反射防止フィルム等、高品質なフィルムには透明性だけでなく明確な光沢(反射特性)が求められます。
国際的に標準化された光沢測定法では、決められた角度で光を照射し、反射光の強度を検出します。しかし、透明材料の場合、照射光の一部は表面を通過し、材料内部の裏面で反射され、反射された光の一部がセンサー方向へ進むことがあります。
この「裏面反射」により、サンプルを置く背景によって測定値が大きく変わってしまうため、この影響を最小限に抑えるために、黒色のマットな背景(例:黒い厚紙)を使用する事が推奨され、常に同じ背景を使用する事が重要です。
また、フィルムが非常に薄い場合、光沢計の下で完全に平らにならず、シワや空気が入ることがあり、測定値を乱す原因になるため、真空プレートを使ってフィルムを平らに固定するといった工夫が必要となります。

5.2 マット仕上げおよびテクスチャー仕上げの光沢測定

自動車などの内装デザインは、購入時の重要な判断材料になっています。高級感を演出しながらコストを抑えることが大きな課題であり、そのために多様な素材が使われます。これらの素材を統一感のある見た目に仕上げるため、調和させる必要があります。
まず基準となる「マスター基準板」が作られます。これは通常、平滑面と複数のシボ(凹凸)面を含んでおり、実際の生産部品で同じ外観になるよう基準板としてサプライヤーへ送られます。
様々な素材間で均一な外観となる様、非常に厳しい許容範囲が設定されます。
サプライヤーの生産品質管理は、絶対的な光沢値(グロス値)を使うのではなく、承認済みの基準部品との“差異”のみをチェックする方法が採用されます。
これにより、光沢は同じ素材・同じ表面で相対的に測定されるため、再現性の誤差を排除できます。
したがって、部品間で 0.3GUの差があれば、見た目の違いとして優位な差と判断されます。

一般的な許容範囲:60°光沢値:<5 GU、±0.3〜0.5 GU

BYK-Gardner社のmicro-gloss Sタイプは、低光沢領域(0〜20 GU)における60°光沢測定性能を向上させ、このような厳しい品質管理に対しても信頼性の高い品質管理を実現します。特許取得済みの校正手順と優れた温度安定性により、±0.1 GUの高い再現性を保証します。

5.3 広い面積の光沢測定

広い面積を持つ製品では、表面の均一性(ムラのなさ)が重要な品質要素になります。
代表的な用途として、ビニールサイディングやフローリング用ラミネートの光沢ムラの評価が挙げられます。
このような用途のために、BYK-Gardner社の光沢計には 「連続測定モード」 が搭載されています。
このモードでは、測定器を広い測定面の上で移動させながら、ユーザーが設定した時間間隔で連続的に光沢測定を行う事が出来ます。測定中は、各ポイントの光沢値がその場でディスプレイに表示されます。
表面全体をスキャンし終えると、平均値や最小値/最大値などの統計情報が表示され、これらを用いて光沢の均一性を評価する事が出来ます。


次のコラムでは、光沢測定では管理が難しい事例についての解決策について紹介いたします。