透明性測定とは(測定機器コラム)

製品の品質を常に一定に保つためには、透明性の測定は欠かせません。
用途に応じて、透過率・ヘイズ(曇り)・クラリティ(透明度)など、求められる製品特性は異なります。
このコラムでは、これらの違いが視覚的にどのように認識されるかを解説します。さらに、実測例から他社では測定出来ないクラリティ(透明度)値の重要性についても解説します。

1. はじめに

製品の用途に応じて、透明材料には異なる要件が求められます(図1)。
例えば、温室用フィルムやパネルには、高い透明性と均一な光の拡散性が求められる一方、包装用フィルムでは、中身の商品が出来る限り鮮明に見える必要があります。

製造工程の変動は、品質に大きな影響を与える可能性があります。
最終製品の外観は、選択された材料や加工条件によって決まります。光学特性に影響を与える可能性のあるパラメータはいくつかあります。

樹脂の温度、添加剤、樹脂の均一性、温度管理、材料の適合性、分子構造、冷却速度、ローラー表面の状態、レオロジー特性、分子量分布、等。

目視評価に基づく不確かさを排除するためには、研究および品質管理において客観的な測定方法が必要です。

2. 視覚的な認識

透明性とは、光と物質の物理的特性との相互作用により決まります。
透明性の見え方は、観察者の判断に大きく左右されます。
これは、透明な試験片を通して試験対象物を観察することで行われます。

このとき、試料と対象物間の距離によって見え方に大きな影響を与えます。

2.1 試験対象物

視覚評価においては、透明なフィルム/材料を通して観察する標準化された試験対象物は、高コントラストのパターンを持ち、一定の照明条件を用いる必要があります。
自己発光する対象物は、光強度が強すぎて観察者の目がすぐに疲れてしまうため、適切な試験対象物ではありません。

2.2 観察者

視覚評価は、検査者の視力、その日の体調、経験や熟練度によって影響を受けます。

 

3. プラスチックにおける透過と散乱

透明な試料に指向性のある光を当てると、材料特性により様々な現象が起こります。

3.1 均質で表面が滑らかな材料

「クリスタルクリア」と呼ばれる様な透明度の高い材料の場合、光の一部は異なる材料間の境界で反射されますが、大部分の光は散乱することなく試料を透過します。

このような材料は、光沢があり非常に透明に見えます。透過光と反射光の比率は、材料の屈折率と光の入射角に依存します。
また、透過した光の強度は、材料の吸収特性や、染料や顔料などの影響によって減少します。

3.2 表面粗さと内部散乱

拡散散乱は、像の鮮明度を低下させます。材料内部の気泡や分散不良の顔料、埃の混入、結晶化、表面の微細な凹凸など、微粒子や不均一性があると散乱を引き起こします。

散乱光の量は、材料内部や表面に存在する散乱要因(微粒子)の数に比例して増加し、その散乱光の広がり方は粒子サイズに依存します。
粒子が小さいほど散乱光の分布は均一になり、サイズが大きくなるにつれて、より多くの光が狭い円錐状に前方に散乱されます。

3.3 散乱を引き起こす材料の見え方

試料の見え方は、その散乱特性に直接関係します。透明なプラスチックを通して見た物体は、散乱光の角度分布によって見え方が異なります。
光が低強度で全方向に拡散する場合、広角散乱と呼ばれ、光が狭い角度範囲に集中して拡散する場合、狭角散乱と呼ばれます。

3.4 広角散乱(ヘーズ)

広角散乱が起こると、コントラストが低下し、乳白色のぼやけた外観になります。
白い背景に黒い文字があり、それを広角散乱のある試料越しに見ると、黒文字の輪郭がぼやけ、背景とのコントラストが弱まり乳白色の印象になります。
この現象はヘーズと呼ばれます。

3.5 狭角散乱(クラリティ)

狭角散乱とは、光が狭い角度範囲に強く集中して散乱する現象です。
白い背景に黒い文字があり、それを狭角散乱のある試料越しに見ると、文字がぼやけて輪郭は歪み、細部が認識しにくくなり、鮮明さも失われます。
この「細かい部分がどれだけ鮮明に見えるか」を表す現象はクラリティと呼ばれます。
ヘイズと異なる注目すべき点は、対象物と透明な材料との距離に大きく影響されることです。
この効果は、試料と観察対象物との距離が離れるほど強くなります。

4. 透明度パラメータの概要

透明製品の外観は、光沢、色、透明性の3つの要素に分けられます。
透明性はさらに全光線透過率・ヘイズ・クラリティ(透明度)の3つの効果で表す事が出来ます。
全光線透過率は、入射光に対しての透過光の割合です。これは、光の反射や吸収の影響を受けます。
直接透過は、試料を散乱せずにまっすぐ通過する光のことです。
拡散透過は、直線透過以外の試料を散乱しながら通過する光のことです。

ASTM D 1003規格によると、拡散透過率(ヘーズ)は入射光から2.5°以上ずれて進む光の割合です。一方、クラリティ(透明度)は2.5°未満の小さな角度でずれた光で定義されます。

ヘーズメーターはこれら全光線透透過率・ヘーズ値・クラリティ値を測定する事が出来ます。

次のコラムでは、ヘーズメーターの測定原理や測定値について詳しく紹介いたします。