光源ブースを活用した目視での色評価①(測定機器コラム)
均一な色調は高品質の証であり、製品の購買判断にも大きな影響を与えます。
異なる素材や異なるサプライヤーによって製造された複合製品においては特に重要です。新しいデザインの決定においては、多くの場合、目視が最終的な判断基準となります。そのため、再現性のある目視評価結果を保証するには、検査条件を標準化する必要があります。
色合わせに重要なことは、自然昼光下で行われる事です。CIE(国際照明委員会)は複数の標準昼光光源を定義しており、その中でもD65が最も重要な標準光源とされています。光源ブースで使用されるランプは、CIE D65を可能な限り忠実に再現しなければなりません。これまで、D65の再現には蛍光灯が使用されてきました。しかし現在では、フィルター付きハロゲンランプとLEDを組み合わせた独自の照明システムにより、CIE D65を再現し、ClassA品質を実現できるようになっています。
本コラムでは、目視での色評価に最適な光源ブースついて、ご案内いたします。

1. 視覚的な色評価の標準化
色の見え方は、観察者自身の経験や知識だけでなく、照明条件や周囲環境によっても大きく左右されます。しかし、現実の環境光は時間や場所によって変化しやすく、常に同じ条件で評価することは困難です。そのため、色を正しく比較・評価するには、照明環境を標準化する必要があります。
また、照明を容易に切り替えられる環境も重要です。なぜなら、ある光源では同じ色に見えても、別の光源では色が異なって見える「メタメリズム(条件等色)」が発生する場合があるからです。この現象を確認し、品質上の問題を未然に防ぐためにも、複数の光源下で評価できる仕組みが求められます。
信頼性の高い試験および評価条件を確保するため、国際規格では以下の要素について評価手順を定めています。
1.1 観察者
観察者は正常な色覚を認識し、適切な色評価を行うための訓練を受けている必要があります。目の疲労は色の判断精度を低下させるため、色の判定は短時間で行い、評価の合間には適宜休憩を取ることが推奨されます。また、人によって色の表現方法が異なるため、色を記録・伝達する際には、次の順序で表現する事が推奨されています。
1.2 評価対象
色評価に使用する試料は、平坦であり、色、光沢、表面テクスチャーが均一で、出来るだけ平坦なものが望まれます。評価を行う際には、標準サンプルと比較対象のサンプルを隙間なく並べて配置し、定期的に左右を入れ替える必要があります。これは、観察位置による見え方の偏りを防ぎ、より客観的な比較を行うためです。
推奨されるサンプルサイズは約10~15cmです。また、観察者の目と試料との距離は50cmとするのが理想的です。この距離は、人間の視野において約10°の視野角に相当し、色差や外観差を適切に評価するための標準的な観察条件とされています。
1.3 周辺環境
色を評価する際には、評価対象そのものだけでなく、その周囲の視野環境も重要な要素となります。また、評価者が目を休めるために見る周辺環境も、正確な色判定に大きく影響します。そのため、ライトブース内部の表面は光の反射を抑える無彩色のマットグレー仕上げとすることが推奨されています。さらに、評価者自身も色の付いた衣服による反射光の影響を避けるため、できるだけ中間色の服装を着用することが望まれます。
1.4 照明条件
色合わせを行う位置における照度は、適用される国際規格に応じて1,000lx~5,000lxの範囲でなければなりません。また、光が試料表面に直接当たって生じる反射を防ぐため、通常は拡散パネル(ディフューザーパネル)を使用します。これにより、評価エリア全体に光を均一に行き渡らせることができ、安定した観察環境を実現できます。
次のコラムでは、光源ブースに用いられる光の特性を表す用語について紹介いたします。

