信頼性の高い光沢データ取得のポイント①(測定機器コラム)

均一で一貫性のある光沢(グロス)は、多くの製品において重要な品質基準の一つです。
そのため、光沢は客観的に測定される必要があります。
客観的に測定できるものだけが管理可能であり、これは製品開発および生産管理の両方において非常に重要です。
特に複数の部品で構成される製品では、光沢の均一性は「高品質」の証とみなされます。
光沢にばらつきがあると、何らかの問題があるように見え、エンドユーザーはそれを欠陥と認識してしまいます。そのため、用途や顧客の要求に応じて、光沢の基準値や許容差が設定されています。

本コラムでは、信頼性の高い光沢データ取得のポイントについて、ご案内いたします。

1. 技術性能:信頼の高い光沢データを得るための必須条件

1.1 再現性の高い光沢データ

求められるのは、光沢値が設定された許容範囲内に収まることです。
そのため、使用する光沢計は、短期および長期にわたって優れた繰返し精度を持つ測定結果を提供できなければなりません(図1)。
そうでなければ、光沢値の変化が光沢計自体のドリフト(継時的な変動)によるものなのか、実際の製品のばらつきによるものなのかを判断できません。

図1:BYK-Gardner 社製micro-glossにおける短期および長期の高い繰返し精度を示す光沢データ:±0.2 GU

1.2 光沢計間で再現可能な光沢データ

サプライチェーンでは、複数の企業や生産拠点が関わるため、繰返し精度と同様に、使用する光沢計の再現性も非常に重要です。
光沢値はサプライチェーン全体で共有されるため、異なる工場や生産ラインであっても、規定された許容範囲内で同じ光沢レベルを維持する必要があるためです(図2)。

再現性が確保されていないと、複数の部品から構成される製品の光沢にばらつきが生じ、見た目に統一感がないように見えてしまいます。
その結果、部品サプライヤー同士で「どの部品の光沢値が適正な光沢レベルなのか」をめぐって、議論が絶えなくなるでしょう。

図2:BYK-Gardner社製micro-glossにおける機器間の測定一致性(Inter-Instrument Agreement):±0.5 GU

1.3 温度変化の影響を受けない光沢測定

生産現場の温度は季節によって変化します。また、昼勤と夜勤では使用環境下の温度が大きく異なる場合があります。
研究室では23℃に温度管理されていても、生産現場では焼成炉やその他の設備の影響で大幅に高温になることがあります。
そのため、使用する光沢計は温度変化の影響を受けず、測定される光沢データも温度に依存しないことが重要です(図3)。

光沢値が研究室環境下でしか安定しない場合、データを相互に比較することはできません。
生産拠点ごとの温度条件は異なるため、温度安定性は繰返し精度や再現性と同じくらい重要です。

図3:BYK-Gardner社製micro-glossにおける10℃ → 40℃ → 10℃の温度変化条件における温度安定性評価結果